Jazzは難しい?その3

今回は前回の記事で取り上げた以下の①の具体的な取り組み方法を書きます。
 ①スタンダード曲をコピーする(常套句を知る、分析・分解する)
 ②音楽理論を勉強する


■はじめに:どんな曲をコピーするか
以下2つのどちらでも結構です。
ただし、セッションが目的であれば後者をお勧めします。
 ・好きなJazz曲をコピーする
 ・スタンダード本の曲をコピーする
基本、Jazzのフリーセッションはスタンダード曲から、
メンバーが弾けるものを選んでやるので、
事前に曲を知らないとまともにセッションすることが難しくなります。


■で、コピーするだけ?
それだけでも雰囲気は学べますが、Jazzを理解するにはもう一段作業が必要です。
(というか、この作業はどんなジャンルにおいても必要な作業だとは思います)
①の括弧内にも書きましたが、
 ①-1:常套句を知る(多くの曲に登場する似たような進行やフレーズを知る)
 ①-2:分析分解する(なぜJazzらしくなるのか理論的に理解する)
という作業をすることで、より深く学ぶことできます。


■①-1:常套句を知る
これはJazzに限らずロックやポップス、ブルースでもやる作業だと思います。
例えば、よくあるチョーキングフレーズだったり、
それっぽくなるコード進行がありますよね。
そういうのがJazzにも多分にあるので、それを知ろうってことです。
4〜5曲コピーしたところで似たようなのが色々出てくると思うので、
まずは自身で気付くまでやってみるのがいいかな、と思います。
(以降で少し触れますが、Jazzらしさを生む要素については後日書きたいと思います)


■①-2:分析分解する
この作業は②の作業を進めていることが前提となります。
ですので、②が進んでいない方は読み飛ばして頂いても構いません。


で、ざっくり書くと以下の3つの作業をやります。
 ・コード進行を分析、把握する
 ・1つ1つ、要所の音使いを分析、把握する
 ・リズムを把握する


***ここからややこしい***


<コード進行を分析、把握する>
例えば「C△7→Bm7(♭5)→E7→Am7」のような進行があったときに、
キーの把握と、この進行を度数表記に置き換えて理解を深める作業をやります。
この場合は仮にキーがCメジャーとすると、「Ⅰ△7→Ⅶm7(♭5)→Ⅲ7→Ⅵm7」となります。
これで以下の2つのことが分かります。
 ・Ⅶm7に向かうツーファイブ進行になっている(Am7をⅠと仮置きしたときのⅡ→Ⅴ進行)
  ⇒Aマイナーキーに部分転調しているので、ツーファイブの箇所はAマイナースケールを使うと自然。
 ・Ⅲ7がⅥm7のセカンダリードミナントになっている(ドミナントモーション)
  ⇒Ⅲ7はC△7のダイアトニックに無いコード。「ソ#」に注意して弾く。(ソは弾かない)
この2つはJazzの常套句なので、手を変え品を変えあちこちで登場するはずです。


<1つ1つ、要所の音使いを分析、把握する>
1つのコード内で使う音がどんな音であるかを理解する作業となります。
例えば、C△7(Ⅰ△7)でド(5弦3F)やミ(4弦2F)を弾くと、C△7における1度(1st)や3度(3rd)の音を弾いたことになるので、
非常に高い安定感を得られます。
また、C△7でシ(3弦4F)を弾くと、C△7における長7度(Maj7th)の音なので、
早く安定したくなるような落ち着かない音になるはずです。
1つのコードの中で鳴っている音(メロディ等)にどんな意味があるのか、、
コピーしている曲で気になるフレーズがあったら分析してみると、理解が早まるかもしれません。


<リズムを把握する>
Jazzらしさを生む要素、の回に書きます。


***ややこしいのはここまで***


■おわりに
長くなりましたが、①の重要性と、②の必要性が少しでも伝われば幸いです。
ペンタしか知らなかった私でも、この作業のおかげでJazzに対する霧が少し晴れてきたと実感しています。
さて、次回は②の取り組み方について書きたいと思います。
(次回記事→id:korock:20120115)


最後にお勧めのJazzスタンダード本を1冊紹介。